とんこつらぁ麺-CHABUTON-=池袋ラーメン店めぐり(その53)
「ちゃぶ屋」森住Presentsとんこつらぁ麺-CHABUTON-・池袋東口店 ~池袋45軒目~
■ラーメン店の経営を考えると、収入は@値段と集客数、支出は賃借料と材料費と単純化できそうですね。
集客数を与件と捉えると、オーナーが考えるべきは@値段と、賃借料(≒立地)と材料費(≒味)のバランスです。
当たり前の話ですが、味がよければ立地が悪くてもお客が来ます。
立地が良ければ、多少味が悪くてもお客は来ます。
でも、時々そんな当たり前の法則が成立しない場合があるようです。
なんででしょう?
■今日のお店・“とんこつらぁ麺・CHABUTON”は、護国寺“柳麺ちゃぶ屋”や表参道ヒルズ“MIST”を展開する“CHABUYA JAPAN”と、“ラーメン花月”のブランドで、全国に200店舗以上を展開する“グロービートジャパン”のコラボレーションブランドとのことです。
かつてTVチャンピオンのラーメン職人選手権で優勝した、フレンチ出身のちゃぶ屋店主・森住康二氏を全面に押し出したブランドイメージを打ち出していて、すでに全国で16店舗展開しているそうです。
隊員の護国寺“柳麺ちゃぶ屋"の経験からすると、味にはかなりの期待ができそうです。

■しかも“とんこつらぁ麺-CHABUTON-”・池袋東口店はJR池袋駅東口から徒歩1分。駅前ロータリーからヤマダ電気日本総本店に向かってすぐのところにあります。
人気の池袋にして、さらに抜群の立地です。賃借料はめっちゃ高いんでしょうね。
ただ、この場所はここ数年で何店ものラーメン屋が出店しては退店している鬼門の場所とのことです。
なんででしょう?
鬼門の場所に、腕のある業界の有名料理人が勝負を賭けた、というのがこの店です。

■お店に着いたのは13:30ごろ。派手な看板を出しているのに、あんまり目立たない感じです。
店内は、カウンター11席のところ、先客は4人のみ。空いています。
お店の名前は“とんこつらぁ麺-CHABUTON-”となっているものの、メニューは“とんこつらぁ麺”だけではなく、“醤油らぁ麺”、“塩とんこつらぁ麺”、“味噌とんこつらぁ麺”と、なんでもありの感じです。“ざるらぁ麺”まであります。
おそらく、このチェーン店の多くが、郊外型のショッピングモールに出店しているため、メニューを豊富に設定しているんでしょう。
メニュー表で一番写真が大きい“ちゃぶ屋流とんこつらぁ麺”(700円)と“ちゃぶ屋流醤油らぁ麺”(680円)を、それぞれデフォルトで注文することにした。
今日は、サイド・メニューとして、一口餃子(8個)(330円)を付けてみた。
【ちゃぶ屋流とんこつらぁ麺】

■まずはスープから。
すごく上品な豚骨スープです。コクはあるが、あっさり目。
そこに“ちゃぶ屋”のらぁ麺にも入っていた“焦がしネギ”が入っていて、その味と風味を効かせてあり、あっさり目のスープと絶妙なバランスを取っている。
店側でも、この“焦がしネギ”が売りだと明言している。
今までの豚骨ラーメンの分野では、店の差別化は、スープのコクの深さや、背脂を含め豚骨の濃度(パンチ力)で決まっていたところに、風味やニュアンスといった別の方向性(テクニック)で差別化を図っているところが目新しいと思います。
■次は、麺です。
割とオーソドックスな九州豚骨ラーメンで見られる極細麺。歯応えや風味もまずまずです。
店側では、「低加水仕上げで歯ごたえとコシがあり小麦の香りが引き立つ厳選された小麦を用いた細麺仕立て」と説明しています。

■麺が極細麺なので、あっさり目のスープとの相性はバッチリです。
口の中に“焦がしネギ”が入る度に、豚骨の風味・コクに加えて、焦がしネギの香ばしい風味が広がります。
卓上のオススメ香味料“フライド・エシャロット”を入れると、更に香ばしさが増します。

なかなか、やりますな~♪
■具材は、薄切りチャーシュー、メンマ、白ゴマ、白ネギ、青ネギ、焦がしネギ。
チャーシューの表面積が大きいので、最初のぱっと見で、「おっ、いいじゃん!」と思ったのですが、実は超薄切りでした。味は適度な脂が入ったジューシーなもので美味しかったが、ボリューム不足です。
■全体としては、豚骨ラーメンの分野で、新しい方向性で差別化を図っている点が素晴らしい。
ただ、一杯のラーメンの完成度としては、“焦がしネギ”の効いたスープ偏重で、麺と具材が割と普通だったのが残念。。。
バランスを考えると、もっと美味しくできるマージンが残っていると感じてしまいます。
【ちゃぶ屋流醤油らぁ麺】

■こちらも、まずはスープから。
ダシやスープも効かせてあるが、甘い醤油をはっきりと前面に出した味付けになっています。
そこに“とんこつらぁ麺”同様、“焦がしネギ”が浮いていて、風味を出すテクを利用しています。
ただ、護国寺の“柳麺ちゃぶ屋”の“らぁ麺(正油味)”と比べると、かなり差があります。
“ちゃぶ屋”のらぁ麺では、丁寧に取られたスープに深みがあり、高級洋食店でも出てきそうなものでした。
また、提供され方も綺麗で、純白の器にうす醤油色に透き通ったスープの綺麗さに感動したものでした。
こちらは、見た目の色の綺麗さも違えば(調味料の入れ方が雑ですよね…)、一口飲んだ時の味・コクの深さも違います。低目均衡です。
■次に、麺を食べてみます。
中細ストレート平打ち麺は、歯応えはあまりないが、のど越し重視。
店の紹介では「つるつるとした滑らかな食感が楽しめる、厳選された小麦と全卵を用いた平打ち麺は、小麦の香りと甘さがやさしく感じられる」とのことだが、そこまで小麦の風味は感じられなかった。

■あっさり目のスープと中細麺の組み合わせは、セオリー通りでよく合います。
ただ、食べ始めのときのインパクトはまずまずだったが、食べ続けていくとスープのコクがそこまでないせいか、どんどん普通になってきます。
■全体としては、まずまず満足させてくれる一杯に仕上がっていると思われます。
ただ、“ちゃぶ屋”の味を知っていると、コストや手間がかかっていない感じが否めません。
焦がしネギ入りスープ、スープ、具材の三要素が、低いところでバランスを取っているように感じられます。
【一口餃子】

■一口サイズなので表面積が大きく、皮をぱりぱりに焼いてあって美味しかった。
ビールに合いそうです。
■総括として、上記2つのメニューについては、まずまずの一杯に仕上がっていると思われます。
ただ、“ちゃぶ屋”の“らぁ麺”を知っていると、手間隙とコストで力が入っていない感じがしてしょうがありません。
これがオーナー店とチェーン店の差なのかは分かりませんが、雑な器への調味料の注ぎ方(白い器が綺麗に見えませんよね。。。)などは、従業員教育次第でどうにでもなるので、こうした“いま一歩感”から解消して欲しいものです。
“鬼門”にめげずに頑張って欲しいです~!
おすすめレベルは、2杯とも4+(けっこうおすすめ)です。
お読みいただいてありがとうございます~!
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■ラーメン店の経営を考えると、収入は@値段と集客数、支出は賃借料と材料費と単純化できそうですね。
集客数を与件と捉えると、オーナーが考えるべきは@値段と、賃借料(≒立地)と材料費(≒味)のバランスです。
当たり前の話ですが、味がよければ立地が悪くてもお客が来ます。
立地が良ければ、多少味が悪くてもお客は来ます。
でも、時々そんな当たり前の法則が成立しない場合があるようです。
なんででしょう?
■今日のお店・“とんこつらぁ麺・CHABUTON”は、護国寺“柳麺ちゃぶ屋”や表参道ヒルズ“MIST”を展開する“CHABUYA JAPAN”と、“ラーメン花月”のブランドで、全国に200店舗以上を展開する“グロービートジャパン”のコラボレーションブランドとのことです。
かつてTVチャンピオンのラーメン職人選手権で優勝した、フレンチ出身のちゃぶ屋店主・森住康二氏を全面に押し出したブランドイメージを打ち出していて、すでに全国で16店舗展開しているそうです。
隊員の護国寺“柳麺ちゃぶ屋"の経験からすると、味にはかなりの期待ができそうです。

■しかも“とんこつらぁ麺-CHABUTON-”・池袋東口店はJR池袋駅東口から徒歩1分。駅前ロータリーからヤマダ電気日本総本店に向かってすぐのところにあります。
人気の池袋にして、さらに抜群の立地です。賃借料はめっちゃ高いんでしょうね。
ただ、この場所はここ数年で何店ものラーメン屋が出店しては退店している鬼門の場所とのことです。
なんででしょう?
鬼門の場所に、腕のある業界の有名料理人が勝負を賭けた、というのがこの店です。

■お店に着いたのは13:30ごろ。派手な看板を出しているのに、あんまり目立たない感じです。
店内は、カウンター11席のところ、先客は4人のみ。空いています。
お店の名前は“とんこつらぁ麺-CHABUTON-”となっているものの、メニューは“とんこつらぁ麺”だけではなく、“醤油らぁ麺”、“塩とんこつらぁ麺”、“味噌とんこつらぁ麺”と、なんでもありの感じです。“ざるらぁ麺”まであります。
おそらく、このチェーン店の多くが、郊外型のショッピングモールに出店しているため、メニューを豊富に設定しているんでしょう。
メニュー表で一番写真が大きい“ちゃぶ屋流とんこつらぁ麺”(700円)と“ちゃぶ屋流醤油らぁ麺”(680円)を、それぞれデフォルトで注文することにした。
今日は、サイド・メニューとして、一口餃子(8個)(330円)を付けてみた。
【ちゃぶ屋流とんこつらぁ麺】

■まずはスープから。
すごく上品な豚骨スープです。コクはあるが、あっさり目。
そこに“ちゃぶ屋”のらぁ麺にも入っていた“焦がしネギ”が入っていて、その味と風味を効かせてあり、あっさり目のスープと絶妙なバランスを取っている。
店側でも、この“焦がしネギ”が売りだと明言している。
今までの豚骨ラーメンの分野では、店の差別化は、スープのコクの深さや、背脂を含め豚骨の濃度(パンチ力)で決まっていたところに、風味やニュアンスといった別の方向性(テクニック)で差別化を図っているところが目新しいと思います。
■次は、麺です。
割とオーソドックスな九州豚骨ラーメンで見られる極細麺。歯応えや風味もまずまずです。
店側では、「低加水仕上げで歯ごたえとコシがあり小麦の香りが引き立つ厳選された小麦を用いた細麺仕立て」と説明しています。

■麺が極細麺なので、あっさり目のスープとの相性はバッチリです。
口の中に“焦がしネギ”が入る度に、豚骨の風味・コクに加えて、焦がしネギの香ばしい風味が広がります。
卓上のオススメ香味料“フライド・エシャロット”を入れると、更に香ばしさが増します。

なかなか、やりますな~♪
■具材は、薄切りチャーシュー、メンマ、白ゴマ、白ネギ、青ネギ、焦がしネギ。
チャーシューの表面積が大きいので、最初のぱっと見で、「おっ、いいじゃん!」と思ったのですが、実は超薄切りでした。味は適度な脂が入ったジューシーなもので美味しかったが、ボリューム不足です。
■全体としては、豚骨ラーメンの分野で、新しい方向性で差別化を図っている点が素晴らしい。
ただ、一杯のラーメンの完成度としては、“焦がしネギ”の効いたスープ偏重で、麺と具材が割と普通だったのが残念。。。
バランスを考えると、もっと美味しくできるマージンが残っていると感じてしまいます。
【ちゃぶ屋流醤油らぁ麺】

■こちらも、まずはスープから。
ダシやスープも効かせてあるが、甘い醤油をはっきりと前面に出した味付けになっています。
そこに“とんこつらぁ麺”同様、“焦がしネギ”が浮いていて、風味を出すテクを利用しています。
ただ、護国寺の“柳麺ちゃぶ屋”の“らぁ麺(正油味)”と比べると、かなり差があります。
“ちゃぶ屋”のらぁ麺では、丁寧に取られたスープに深みがあり、高級洋食店でも出てきそうなものでした。
また、提供され方も綺麗で、純白の器にうす醤油色に透き通ったスープの綺麗さに感動したものでした。
こちらは、見た目の色の綺麗さも違えば(調味料の入れ方が雑ですよね…)、一口飲んだ時の味・コクの深さも違います。低目均衡です。
■次に、麺を食べてみます。
中細ストレート平打ち麺は、歯応えはあまりないが、のど越し重視。
店の紹介では「つるつるとした滑らかな食感が楽しめる、厳選された小麦と全卵を用いた平打ち麺は、小麦の香りと甘さがやさしく感じられる」とのことだが、そこまで小麦の風味は感じられなかった。

■あっさり目のスープと中細麺の組み合わせは、セオリー通りでよく合います。
ただ、食べ始めのときのインパクトはまずまずだったが、食べ続けていくとスープのコクがそこまでないせいか、どんどん普通になってきます。
■全体としては、まずまず満足させてくれる一杯に仕上がっていると思われます。
ただ、“ちゃぶ屋”の味を知っていると、コストや手間がかかっていない感じが否めません。
焦がしネギ入りスープ、スープ、具材の三要素が、低いところでバランスを取っているように感じられます。
【一口餃子】

■一口サイズなので表面積が大きく、皮をぱりぱりに焼いてあって美味しかった。
ビールに合いそうです。
■総括として、上記2つのメニューについては、まずまずの一杯に仕上がっていると思われます。
ただ、“ちゃぶ屋”の“らぁ麺”を知っていると、手間隙とコストで力が入っていない感じがしてしょうがありません。
これがオーナー店とチェーン店の差なのかは分かりませんが、雑な器への調味料の注ぎ方(白い器が綺麗に見えませんよね。。。)などは、従業員教育次第でどうにでもなるので、こうした“いま一歩感”から解消して欲しいものです。
“鬼門”にめげずに頑張って欲しいです~!
おすすめレベルは、2杯とも4+(けっこうおすすめ)です。
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